美容室の開業準備で最も大きな支出となるのが内装工事費です。「坪単価いくらが相場ですか?」というご質問は、開業支援の現場で最も多くいただく質問のひとつですが、実は美容室の内装費用は、坪単価だけで判断すると失敗しやすい費用です。
この記事では、東海エリアを中心に創業31年・900件の美容室の設計施工を手がけてきた有限会社キックが、内装費用の構造と坪単価の正しい捉え方、見積もり比較で失敗しないためのポイントを解説します。

有限会社キックの施工事例:BioTop(シャンプーブース)。給排水・電気など設備工事の計画が美容室内装の要
結論:美容室の内装費用は「設備工事」で決まる
美容室の内装費用が一般の店舗と大きく異なる点は、給排水・電気・空調・換気といった設備工事の比重が大きいことです。シャンプー台の給排水配管、ドライヤーや機器を同時に使うための電気容量、薬剤のにおい対策の換気——これらは仕上げデザイン以前に必ず必要になる工事で、物件の状態によって金額が大きく変動します。同じ坪数・同じデザインでも、物件が違えば工事費は数百万円変わり得る。これが、坪単価が一律に語れない理由です。
内装工事費の内訳
- 仮設・解体工事:既存内装の撤去、養生など(居抜きの場合は撤去範囲で変動)
- 設備工事:給排水・電気・空調・換気・ガス。美容室では比重が大きい
- 内装仕上げ工事:床・壁・天井の仕上げ、造作家具、塗装など
- サイン・外装工事:看板、ファサードなど
- 設計・監理費:設計図書の作成、工事品質の監理
見積もりを比較する際は、総額だけでなく「どの工事がどこまで含まれているか」を必ず確認してください。安く見えた見積もりに設備増設費が含まれておらず、着工後に追加費用が発生する——というのが典型的なトラブルです。

美容室の内装工事費の内訳。設備工事の比重が大きいのが美容室の特徴
スケルトンと居抜きで費用はどう変わるか
スケルトン物件の場合
内装が何もない状態から作るため、設備・仕上げとも自由に計画できる一方、工事費は高くなります。一般に美容室のスケルトン工事は坪あたり数十万円規模と言われますが、前述の通り設備条件で大きく変動します。デザインの自由度と長期的な使いやすさを重視する方に向いています。
居抜き物件の場合
前テナント(特に美容室の居抜き)の設備を活かせれば、工事費を大幅に抑えられます。ただし、設備の劣化状況やレイアウトの制約によっては、撤去・改修費がかさみ「安いはずの居抜きが高くつく」ケースもあります。契約前に設計者による現地調査で設備の使用可否を見極めることが不可欠です。詳しくは別記事「美容室の居抜き物件で開業するメリット・デメリット」で解説しています。
見積もりで失敗しないための4つのチェックポイント
1. 契約前に現地調査をしてもらう
図面だけの概算見積もりと、現地の設備条件を確認した見積もりでは精度がまったく違います。契約してからでは引き返せないため、物件契約の前に必ず専門家による現地調査を受けましょう。
2. 「含まれていない工事」を確認する
電気容量の増設、給排水の引き込み、空調・換気、看板工事などが見積もりに含まれているかを項目ごとに確認しましょう。
3. 美容室の施工実績を確認する
美容室にはサロンワークの動線、保健所基準への適合など、業種特有のノウハウが必要です。一般住宅や他業種が中心の会社に依頼すると、開業後に「使いにくい店」になってしまうリスクがあります。施工実績の件数と内容は必ず確認してください。
4. 安さだけで選ばない
工事費の安さは魅力的ですが、設備容量の不足や動線の悪さは、開業後の営業効率と提供サービスのクオリティに直結します。「安いから良い」ではなく、事業計画に対して適正な投資かどうかで判断することが大切です。
デザインと施工を分けるべき?一貫体制のメリット
内装会社への発注には、デザイン会社と施工会社を分ける方法と、設計から施工まで一貫して任せる方法があります。一貫体制の場合、デザイン段階から施工コストと設備条件を織り込んで計画できるため、「デザインはきれいだが工事費が予算オーバー」というミスマッチが起きにくく、責任の所在も明確です。キックは一級建築士事務所登録・建設業許可(建築工事業・内装仕上工事業)を持ち、設計から施工管理までワンストップで対応しています。

有限会社キックの施工事例:BioTop(内装)。設計と施工を一貫して計画することでコストと品質を両立
よくある質問
Q. 坪単価の目安だけでも教えてもらえませんか?
A. 物件条件による変動が大きく、坪単価の一人歩きはかえって判断を誤らせるため、一律の数字ではお答えしていません。物件の候補が決まっていれば、現地調査の上で実態に即した概算をお出しできます。
Q. 工事期間はどれくらいですか?
A. 着工後、3週間〜1ヶ月程度が目安です。規模や工事内容によって変わります。
Q. 小規模なサロンでも設計から依頼できますか?
A. 1席のみのプライベートサロンからスタッフ20名越えの大型サロンまで対応実績があります。小規模だからこそ動線の設計精度が効いてきますので、お気軽にご相談ください。
まとめ:坪単価より「何にいくらかかるか」を見る
美容室の内装費用は、設備工事の比重が大きく物件条件に左右されるため、坪単価の相場だけでは判断できません。見積もりの内訳と含まれる工事範囲を確認し、契約前の現地調査で物件のリスクを把握することが、失敗しない内装計画の基本です。有限会社キックでは、物件探しの段階から設計者が同行し、内装費用まで見据えた物件選びをサポートしています。東海エリアでサロンづくりをお考えの方は、お気軽にご相談ください。
この記事の監修・運営
- 有限会社キック(美容室・サロン専門の設計事務所)
- 一級建築士事務所:愛知県知事登録(い-7)第14546号
- 建設業許可:愛知県知事許可(般-2)第38328号(建築工事業・内装仕上工事業)
- 1995年(平成7年)設立。東海エリアを中心に創業31年・900件の美容室の店舗デザイン・設計施工を手がける、美容業界特化の設計事務所。開業支援・繁盛支援から物件のご紹介までワンストップで対応。
- 監修:有限会社キック 代表取締役 小野田 聡
会社情報
- 会社名:有限会社キック
- 所在地:愛知県名古屋市南区呼続元町10-65 YMプレイス2F
- TEL:052-825-0869
- 対応エリア:愛知・岐阜・三重の東海3県を中心に対応(その他エリアはご相談ください)
- 公式サイト:https://design-kick.com/
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