美容室の設計では、まず機能や動線を踏まえてスペースの割り振りを行います。
サイズや予算など、さまざまな制約がある中でバランスをとりながら平面計画をまとめていくのはパズルのようでもありますが、正解が一つではないだけに悩みどころでもあります。
来店されるお客様にとって心地よい空間であることはもちろん、
スタッフさんたちが動きやすい配置計画にするために、KICKの社内会議では活発な議論が交わされます。
これまでの経験からうまくいった事例の共有や、さらに良くするためのアイデア、
「もっと合理的にできないか」「もっと魅力的に見せられないか」など、さまざまな視点で検討を重ねています。
何百件もの美容室づくりに携わってきた今でも、常に“最新作がベスト”と言えるような仕事を目指しています。
生活に必要なモノやサービスが行きわたってしまった今、お客様は「物」ではなく、わくわくする「体験」や嬉しさ、満足などの「価値」にお金を使う傾向があります。
物理的な価値や機能性を満たすものがたくさんある中で、お客様は何を基準に商品やサービスを選ぶのでしょう?
その答えの一つがブランドです。
上手にカットしてくれるのは、お客様の立場からみればもちろんのことです。
数多くのサロンから選ばれるためには、それだけでは不十分です。
「私の好みや髪質をわかってくれている」
「以前話した趣味のことを覚えていて、その後を聞いてくれた」
「服ではなくセンスをほめてくれた」
小さな嬉しい体験や感動の積み重ねが、そのサロンの好印象につながり、信頼にかわります。
ふと目にした広告にお店のロゴを見つけると「私の(利用する)お店」だと認識できる。
友達に薦めたくなる。他のお店とは違うと感じてもらえたとき、そのサロンはブランドになったといえるのです。
ブランディングとは、価格競争に巻き込まれず、お客様に価値を認められ、選ばれるようになること。
そのためには店舗・看板・ロゴマークのデザインなど、KICKがお手伝いできることはたくさんあると思います。
初めて入る飲食店では、エントランスの雰囲気から価格帯や印象を判断することがよくあります。
高そうだと感じれば入りづらくなり、逆に特別な日には高級感を求めることもありますよね。
美容室でも同じで、カジュアルなサロンを目指すなら親しみやすい雰囲気が必要です。
一方、富裕層向けの高級サロンなら、非日常感のある演出が求められます。
エントランスは、そのお店の第一印象を決める重要な要素です。
「どんなお客様に来てほしいのか」を意識し、デザイナーとよく相談してデザインを決めましょう。
近年、多くのサロンが SNS発信 を行うようになっています。
美容室選びや予約の際にインターネットを利用するお客様は非常に多く、発信を続けることでサロンやスタッフを知っていただく機会が増え、親しみや信頼感を持っていただくきっかけになります。
一方で、「友達向けのSNS投稿とは違い、不特定多数に向けて発信するのは難しい」と感じるスタッフも少なくありません。その大きな理由の一つは、発信する“ネタ探し”の難しさ にあるようです。
また、文章だけでなく 写真やショート動画 を添えることで投稿の魅力が格段にアップします。最近ではInstagramリールやTikTokでの短尺動画も人気があり、サロンの雰囲気やスタッフの人柄を直感的に伝えられるため効果的です。
大切なのは、完璧を目指すことよりも コツコツと継続すること。積み重ねることで「親しみやすいサロン」「通いやすいサロン」という印象が定着し、新規集客やリピート率向上にもつながります。
美容室に欠かせない設備といえばシャンプー台です。
いくつものメーカーからさまざまなタイプのものが発売されており、デザインが多彩なのはもちろんですが、機能もいろいろ。
シャンプーボールには、スタッフが横に立って施術する「サイドシャンプー」、
後方から座って施術する「リアシャンプー」があり、
どちらでも使用できるものもあります。
近年では、セット面とシャンプー設備を一体化した省スペース型ユニットも登場し、
必要なときだけ座席下から電動でシャンプーボウルが昇降する革新的な設備も注目されています。
またお客様の椅子も、リクライニングするだけのものから、フットレストが上がるもの
さらには航空機のファーストクラスのシートのようなフルフラットになるものまであります。
ヘッドスパのように時間をかけて癒しを提供するメニューには、より上質な座り心地が求められます。
お店づくりのときに気をつけなければならないのは、選ばれる機種によってサイズが異なること。
早めに選定されないと、後になって希望の機種に必要なスペースが確保できなくなることもありますのでご注意ください。
新しく美容室を作る時、オーナー様には「こんなサロンにしたい」という夢があるはずです。
そのコンセプトにより、出店するエリアや規模が決まってきます。
周辺環境や規模が希望通りでも、その土地やテナントの価格が妥当かどうか、判断が難しいところです。
KICKには、「物件を探してほしい」とか「この物件でいいか見てほしい」というご相談をいただくことも少なくありません。
これまでの経験から、「もう少し価格交渉の余地があるかもしれません」といったアドバイスをさせていただくこともあります。
また諸条件に難点が見つかれば、「あわてずもう少し物件探しをしましょう」ということも。
デザイン以前に、まずどんな店づくりをするかコンセプトを明確にし、それにふさわしい立地で物件を見つけることが、成功への第一歩といえるでしょう。
お客様に満足していただくために大切なのが、施術前のカウンセリングです。
ご要望や悩みにしっかり耳を傾け、施術の方針やメニュー、薬剤、価格を丁寧に説明することで、後々のトラブルを防げます。
あわててシャンプーにご案内する前に、ファッションやスタイリングの傾向を観察することも忘れずに。
鏡越しにお話しすることで、髪質やスタイルだけでなく、お手入れの悩みも自然に引き出せます。
そうすれば、ホームケアのアドバイスもより的確にできそうですね。
丁寧なカウンセリングは、お客様との信頼関係を築く第一歩です。
美容室は単なる「髪を切る場所」ではなく、まさにおもてなしの場です。
どれだけ技術力が優れていても、どれだけ価格が安くても、接客や雰囲気が悪ければ本当に愛されるお店にはなれません。
お客様が安心してリラックスできたり、気持ちが前向きになったりするサロンには、必ずそこで働くスタッフの“心の姿勢”が表れています。
現代はSNSや口コミの時代です。
仕上がりのスタイル写真だけでなく、「居心地がよかった」「スタッフが優しく声をかけてくれた」「会話が楽しく癒された」――そんな体験がシェアされることで、サロンの魅力がより多くの人に広がっていきます。
そのためには、技術や料金と同じくらい、いやそれ以上に“おもてなしの力”が重要です。
また、お客様を迎える側であるスタッフ自身が楽しそうに働き、幸せを感じていなければ、その空気感は必ずお客様にも伝わります。
オーナーやスタッフがいきいきと輝きながら働く姿を思い描き、それを実現できる環境を整えることが、サロンづくりの出発点です。
まずは「働く人がHappyであること」
その先に「お客様もHappyになる」という好循環が生まれ、長く愛されるサロンへと成長していきます。
壁の仕上げには様々な素材がありますが、なかでも一般的なのが「壁紙(クロス)」を貼ることです。
下地の合板やせっこうボードに糊(接着材)で貼りつける乾式工法の壁紙は、施工が早く、比較的リーズナブルに仕上げられるため、店舗だけでなく住宅の壁仕上げのほとんどを占めています。
日本製の壁紙の大半は「ビニルクロス」といわれる表面がラミネート加工されたもので、表面強化や汚れ防止、消臭、抗菌といった高機能な製品が、色柄豊富にそろっています。
そのほか、織物や和紙、珪藻土を使ったものなど、やわらかなテクスチャーと調湿機能をもった製品もあります。
また欧米からの輸入品には、日本製にはない大胆な色づかいや個性的な柄のものがあり、空間デザインを印象的なものにしてくれます。
あまりにも多種多彩な製品があふれているため、お客様自身に選んでもらおうにも目移りしてしまいますから、たいていの場合はあらかじめ数点の候補に絞り込んでご提案しています。
既に知っている方も多いかもしれませんが、
「人は見た目が9割」(竹内一郎 著/新潮新書)
という本をご存じですか?
アメリカの心理学者アルバート・マレービアン博士の発表した実験結果によると
・顔の表情 55%
・声の質(高低)、大きさ、テンポ 38%
・話す言葉の内容 7%
なんと、93%が話す内容よりも、顔の表情や声の質から他人の感情や態度などの情報を受け取っているということです。
実際には身だしなみや仕草も大きく影響するでしょう。
舞台でも、映画や漫画でも、もっとも感動的なシーンは、言葉で説明しないで「絵でみせる」という鉄則があります。
それほどまでに「見た目」は大切なものなのですね。
さて、お店づくりにおいて「見た目」とは、ズバリ外観です。
いくら凝った内装にしても、高級な美容機器を備えていても、外観に魅力がなければお客さんに入ってもらえません。
お店に入ってもらえなければ、自慢の技術もサービスも知ってもらうことはできないのです。
いままであったお店のリニューアルの際にも、まず外観の印象を変えるのが効果的です。
これまで来店されなかったお客様にとって、外観が変わることが「行ってみよう」という動機につながることも多いのです。
人も、お店も、見た目から魅力的に!心がけたいですね。